中村文則さんの「教団X」を読みました!読書記録NO.7
今回は中村文則さんの「教団X」を読んだので、その感想、魅力を伝えていきます。
ネタバレも含みます。ご注意ください。
読み始めたきっかけ
テレビで紹介されていたからです。
かなり前のですが、たまたまアメトークの「読書芸人」を見ました。そこでカズレーザーさんが中村文則さんの「教団X」を紹介されていました。「教団X」は有名なので読んでおきたいとは考えていたのですが、難しそうだなと避けていました。しかしカズレーザーさんが読んで面白いと感じたならば、僕にも読めるはずだと謎の対抗意識が出てきて(笑)、読むことにしました。
こんな人におすすめ
・非現実世界を味わいたい人
・難しい内容の本を読みたい人
概要、あらすじ
突然自分の前から姿を消した女性を探し、楢崎が辿り着いたのは、奇妙な老人を中心とした宗教団体、そして彼らと敵対する、性の解放を謳う謎のカルト教団だった。二人のカリスマの間で蠢く、悦楽と革命への誘惑。四人の男女の運命が絡まり合い、やがて教団は暴走し、この国を根幹から揺さぶり始める。神とは何か。運命とは何か。絶対的な闇とは、光とは何か。著者の最長にして最高傑作。
(「BOOK」データベースより)
「教団X」は2017年6月22日に出版された小説です。608pあり、通常の文庫本よりも結構厚いです。内容も少し難しめで読むのに苦労しました。
感想、書評
不思議な世界に引き込まれる!
突然楢崎の元から姿を消した恋人、立花涼子を探していくと、とある宗教団体に所属していることが判明する。楢崎の友人である小林は彼女の存在が怪しいと感じ、人生が駄目になるかもしれないぞ、と距離を置くように勧めるが、楢崎は
「俺のこれまでの人生?そんなものに何の価値がある?」
(本文より引用)
と答えます。この発言が衝撃的でした。自分のことを全く大切に思っていない楢崎はどうなってしまうんだと緊張感を冒頭から覚えました。そして楢崎はすぐに真意を確かめるべく立花涼子が所属している噂の宗教団体へ訪問し、彼女の情報を得ると、宗教団体と対立するカルト教団に連れ去られます。特に冒頭部分はトントンと話が進んでいき、危ない方向へ行ってしまいます。展開がすごく気になりました。
話が難しい…
しかし、徐々に話が難しく、ややこしくなります。宗教団体の教祖、松尾さんの話がかなり僕には難しかったです。この小説ではストーリーの途中に「教祖の奇妙な話」が差し込まれます。教祖が宗教団体のメンバーを相手に演説をするのです。扱うテーマは仏教の開祖、ブッダや宇宙の始まり、人間の存在について等です。かなり集中しないと読めなかったし、理解はしきれませんでした。
目の前に出現したその自分の人生を歩く
この本は僕にとっては難しかったのですが、各登場人物や作者の熱量が伝わってきます。僕は立花涼子が自分の愛する高原に向けての最後の言葉が好きでした。この見出しの言葉も立花涼子の台詞です。冒頭部分では楢崎を裏切った冷徹な女という印象を持っていましたが、自分の人生を幸せと言えるものにするために、もがき苦しんでいたのだと感じ取れたのが良かったです。
まとめ
中村文則さんの「教団X」は僕にとってはレベルの高い、難しい本でした。理解して楽しめる知識や力が正直ありませんでした。カズレーザーさんに負けた気分です(笑)。また機会があれば挑戦しようと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
本を読んだら更新します!